令和6年度後期始業式 校長式辞
皆さん、おはようございます。2学期制の川北では今日から後期が始まります。そろそろ季節も秋に変わって、だんだんと過ごしやすい日が多くなってきました。学校行事が落ち着いている今こそ、文武両道を甘く見ずに実践あるのみです。
今日はまず「ものごとに挑戦するチャンス」について話したいと思います。iphoneで有名なアップル社の共同設立者のスティーブ・ジョブズの残した言葉に「挑戦する機会というものは誰にでも平等である」というものがあります。ジョブズは病に侵され、2011年に56歳の若さでこの世を去りましたが、病気になってから彼は毎朝、鏡に映った自分に「もしも今日が人生最後の日だとしたら」と問いかけるのが日課だったといいます。彼の言葉から思うのは、「物事を成功するとか、失敗するとかは誰にもわからないけれど、挑戦することは誰にもできるものだ」ということです。
皆さんの中には、夏休みが終わり北高祭や体育祭が終わったところで、「部活は一生懸命やっているけれど、勉強時間があまり取れていない」という声を多く聞いています。黄金サイクルを実践したいとは思うけれど、家に帰ると眠くなって勉強ができない、分かってはいるけれどスマホをいじってしまう、など自分の時間をコントロールできていない人が多くいるようです。そんな人にこそ、先ほどのスティーブ・ジョブズの言葉を受け止めてほしいと思います。ありきたりの言葉かもしれませんが、迷ったらとにかくやってみること、また、簡単にあきらめずに結果を恐れずに挑戦することが大切です。今日は「後期の始まり」という節目の日です。まずはきっかけを作るという意味で、放課後までに「今日家に帰ったら何の勉強をするか」というto doリスト,いわゆる計画表を作ってみることをお勧めします。使い古された言葉ですが、「いつやるの?」と聞かれたら「今でしょ」と答えられるように頑張ってください。
次に、9月から秋にかけて多くの高校生が感じるであろう「ストレス」についてです。 ある調査によると、日本の高校生の中で毎日の生活を忙しく感じていない人はたった5%程度で、ほとんどいないそうです。これは、現代社会ではたくさんの情報があふれかえり、またフェイクな情報も多く、人の判断力の許容範囲を超えていることも原因の一つのようです。その中で、悩んだり、つまづいたりすることは、誰でも経験することであり、自分だけが感じているものではないのです。
そこで大切なのは「ストレス」との付き合い方です。個人差があるものですが、人をうらやましく思ったり、人と比較をしてしまって苦しさを感じたときは、誰かとコミュニケーションを取ってください。ストレスに対する特効薬などはありませんので、人とのつながりを深めること、そしてその中から解決策を探る努力をしてみてください。とにかく困ったら人と話すこと、コミュニケーションを取ることです。覚えておいてほしいと思います。
3つ目は、3年生へ。先月の25日に大学入試共通テストの出願受け付けが始まりました。そろそろ、受験で大変な思いをしている人もいるかもしれません。3年生になってから部活動や行事に頑張ってきた49期生の皆さん。勉強合宿を経験し、夏休みも辛くて厳しい受験の夏を過ごしてきた皆さん。いよいよここからが本番です。ただ、どうしてもこの時期になると、模試の結果が伸びずに焦りを感じて、自分の志望校のレベルを下げようとしたり、国公立をあきらめようとする人が出てきます。しかし年度初めの校長面接でも何人かに言いましたが、本格的な受験勉強を始めて3カ月くらいで結果が出ることは、ほぼありません。ストレスと同じで受験勉強にも特効薬はなく、そんなに甘くはないのです。
皆さんの多くの先輩たちの経験によると、最後に結果を出して笑うのは、11月、12月、さらには1月以降を制した人です。まさにここが浪人生とは違う、現役生の強みなのです。また、共通テストの後でも学力がグングン伸びていくことも、珍しくありません。大切なのは自分を信じて、自分のやっていることを継続すること。49期生の皆さん。先ほどのジョブズの話のように、やりもしないであきらめるのではなく、粘り強く頑張りましょう。また、受験は団体戦です。とにかくチーム川北で取組んできた今までの努力を生かすためにも、ここからの3カ月。無我夢中で頑張り、受験を制してください。皆さんの頑張りを応援しています。
最後に体育祭の閉会式で伝えられなかった講評を簡単にしたいと思います。「目配り、気配り、心配り」をお願いした体育祭でしたが、皆さんのお互いを思いやる気持ちが、いろいろな場面で発揮されたのではないでしょうか。自分だけでなく、クラスの友達、部活の仲間、同じ連合チ-ムにいた先輩後輩。それぞれに出会いがあり、協力があり、思いやりがあったと思います。今回の体育祭では、そういった人たちの輝く笑顔にたくさん出会うことができました。本当に素晴らしかったです。
今回の体育祭の経験を、この時だけの盛り上がりとせず、そのエネルギーとパワーをこれからの学校生活に生かしてくれることを期待したいと思います。