校長のことば
令和6年度 避難訓練 校長講評(雨天時対応のため、予定原稿を掲載)【R6.4.25】
皆さん、こんにちは。今回の避難訓練は、地震発生を想定して実施されましたが、真剣に取り組めたでしょうか。地震と言えば、今年の元日に能登半島で起きた大きな地震を思い出します。3カ月以上たった今でも、避難をされている方がいますし、復興についてもまだ先が見えない状況です。また、先週の4月17日の夜中にも四国の方で(愛媛・高知)震度6弱の地震があったばかりです。
少し気になったので、過去3年間で、日本国内で震度5強以上の相当強い揺れを伴う地震の数を調べてみました。結果は、岩手と福島と千葉県で2件ずつ、北海道、宮城、茨城、石川、愛媛、大分、鹿児島でそれぞれ1件となっていて、3年で合計13件も発生しています。まさに、いつ、どこで大きな地震が起こってもおかしくない、そんな状況の中で私たちは生活しているということです。そんな私たちが住む日本列島では、地震のような自然災害は、予知も難しく、現状ではその発生自体を止めることはできません。しかし、日頃から防災対策をしておくこと、これを「減災」と言いますが、災害の被害を最小限に抑えることはできると思います。
では、ここで今日の訓練を振り返ってみてください。今日の訓練、いったいどんな意味の訓練だったのか。また、どんな意識をもって、この訓練に取り組めたのか。地震発生の放送があってから、どのような行動を取ったのか。先生の指示に従って、緊張感のある訓練ができたのか、などです。結果として、この訓練が「減災」につながるものだとわかると思います。
一方で、今日は学校という場での訓練なので、先生の指示などもあり、冷静な行動が取れた人は多いのかもしれません。しかし、学校以外の場所で、例えば繁華街や人が大勢いるイベント会場などで、もしも実際の災害に遭遇したら、皆さんはどんな行動を取ったらよいのでしょうか。まず、やるべきは「自分の身を自分で守る」ことです。自分自身の身の安全を最優先で確保してください。これが、一番大切なことです。そして、次に重要なことは、被災して、苦しんでいる人たちを、助けたり、支援をすること。皆さんには、そんな役割が期待されていると思います。さらに、「率先避難者」としての行動を身に着けてほしいと思います。この「率先避難者」とは、まずは周囲に避難を呼びかけながら、自ら率先して避難をする人を指します。私の知り合いの消防関係の方からも、学校でも、多くの人に広めてほしいと言われました。ですから、まずは、自分の命を守ること、そして、困っている人、苦しんでいる人を助けること、そして「率先避難者」であること。この3つについては今日は忘れずにいてください。そしてもうひとつ、この学校の火災報知機や消火栓、避難用救助袋が、どこに何か所あるか知っていますか?また、消火器はどこに置いてあるか知っていますか?AEDがどこに設置してあるかわかりますか?多分普段は意識していない人が多いと思います。こんな機会ですから、ぜひ確認してみてください。
最後に一言。災害の時に、誰しも自分が被災者になると思っていた人はいないはずです。「転ばぬ先の杖」という言葉もあるように、今日の避難訓練を実施して、疑似体験をすることは、本当に意味のあることです。そして、今日は家に帰ったら、「いざという時の準備」について家族の人と確認をしておくと良いと思います。何かあった時に大切な家族が落ち合う場所や時間など決めておいて損にはならないはずです。ぜひ話をしてみてください。本日の避難訓練が、「訓練のための訓練」にならないよう、日頃から様々な危機意識を持って行動するよう心掛けてほしいと思います。
対面式 校長挨拶 令和6年4月9日(火)
皆さん、おはようございます。さて、この対面式は、本来皆さん一人ひとりの成長とともに、川口北高校の発展という、同じ志を抱く新入生と上級生が交流を深める場です。新入生の皆さんは、受け身の姿勢ではなく積極的に先生方や上級生とコミュニケーションを取れるように努力してください。
では、まずは新入生である51期生の皆さんへ。昨年度の高校受験では、1.4倍を超える高倍率の中、相当な努力をして本校への入学を果たしたことと思います。ただ これはゴールではありません。これからの世の中では、誰かから教えてもらっただけの知識、例えば学習塾に通うことによって伸ばされた学力などには、そのうち限界が見えてきます。4月、5月の授業にはそこそこついて行けたとしても、その後は予習復習をしないと、どんどん遅れを取ることになります。今まで中学校では、クラスでも上位にいた人が、クラスの最下位になることもあります。ですから、皆さんには、自分自身をさらに成長させるために、皆さん自身の力で知識・技能を身につけ、考え、判断し、それを表現すること。さらに ただ勉強ができるだけではなく、自主的に学びに向かう力や人間性を磨くことを求めていきます。 川口北高に入学したことだけに満足せず、勉強は当たり前に、そして部活も学校行事も全力で、自分の可能性を信じて、今日から努力をし始めてください。明日からやるという人に限って、面倒くさいことはどんどん先延ばしにします。まずは動き出すこと、実行あるのみです。
51期生の皆さんにもう一つ。皆さんは「凡事徹底」という言葉を知っているでしょうか。昨日の入学式の式辞でも言いましたが、「凡事徹底」とは日々、当たり前のことを当たり前にきちんと行うということです。具体的に川北の生徒に日々実践してもらいたいこととしては「明るく爽やかな挨拶」「気持ちの良い返事」「清潔感溢れる服装」「心を込めて行う清掃」などがあります。一例を上げれば、コミュニケーションの第一歩である挨拶。顔見知りであるかないかを問わず、本校に関係のある来校してくる外部の方々であっても、大きな声で、笑顔で挨拶をすると、挨拶された方はその日1日を気持ちよく過ごすことができます。何ていうことのない、本当に当たり前のことですが、これを継続すること。そこに大きな価値があります。ぜひ「凡事徹底」を忘れないでください。
また、本校では、創立以来、半世紀がたち、1万8千人以上の先輩方が社会で活躍しています。その先輩たちが築いてきた、素晴らしい伝統と校風を引き継ぎ、母校を愛し、川口北高校の生徒としての新たな一歩を踏み出してもらいたいと思います。
そして現在、本校には、大変素晴らしい上級生がいます。県下に誇れる、文武両道の精神のもと、何事にも頑張り、そして品格ある立派な上級生です。新入生は、まず、先輩の学校生活に取り組む姿勢と行動を見て、学んで、そして自分のスタイルを作り上げてください。そして、1日も早く、川口北高校を理解し、「チーム川北」の一員になれるよう応援しています。
2年生,3年生の皆さん、先輩として、プライドを持ち、新入生を優しく迎え入れてください。川口北高校の品格を重んじ、「高いレベルでの文武両道」を目指す、本校の伝統と文化を継承してください。新入生にとって頼れる上級生、尊敬される上級生であってほしいと思います。上級生に導かれることで、新入生も川北生としての自信と誇りが芽生えてくるはずです。実行あるのみです。よろしくお願いします。
最後になりますが、新入生の皆さん。新制服の着心地はいかがですか。創立50周年を機に、在校生の皆さんのアイデアが詰まった川北の新たな歴史の始まりです。川口北高校の看板を背負っているというプライドをもって、しっかりと着こなしてください。そして過去最高の「チーム川北」ができるよう、皆さんで盛り上げていきましょう。
令和6年度 入学式 式辞 【R6.4.8】
春、光うららかな季節を迎え、ここ木曽呂の木々も芽吹き始め、川北桜も咲き誇る今日の佳き日に、本校PTA会長、伊藤洋二様、後援会会長、木村卓史様、同窓会会長、榎本正樹様、並びに多数の保護者の皆様の御臨席を賜り、本日ここに、埼玉県立川口北高等学校第五十一回入学式を挙行できますことは、教職員一同この上ない喜びでございます。
ただいま、入学を許可された361名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんは晴れて川口北高生となりました。本校は昨年度、創立50年目を迎えましたが、多くの卒業生が、半世紀にわたって築いてきた、歴史と伝統を引き継ぎつつ、新たな歴史を皆さんの力によって刻んでいただき、川口北高校の伝統が築かれることを期待しています。そして、保護者の皆様には、お子様の御入学、心よりお喜びを申し上げます。
さて本校では、「文武両道の精神のもと、高い志と品格を備えた未来を拓くグローバルリーダーを育成する学校」を目指す学校像として掲げ、学力の向上、生徒の希望進路の実現など「高いレベルでの文武両道」を図るために、教職員が一丸となり教育活動にあたっています。また、品格を備えるために、「明るく爽やかな挨拶」「気持ちの良い返事」「清潔感溢れる服装」「心を込めて行う清掃」など、日々当たり前のことを当たり前にきちんと行うという「凡事徹底」を求めています。こうした取り組みのもと、多くの卒業生が高い進学実績を上げ、自己実現・進路実現を図っています。部活動においても、昨年度は、陸上競技部、ハンドボール部、かるた部、書道部、美術部など、運動部・文化部ともに、多くの部活動が全国大会、関東大会への出場を果たし、県大会でも上位で活躍するなど、まさに「高いレベルでの文武両道」を体現しています。新入生の皆さんには、早く学校に慣れ、2・3年生とともに、更なる高い目標への挑戦を期待しています。
次に、本日から川口北高生としてのスタートを切る皆さんに、本校の校歌についてお話しをいたします。本校の校歌は、初代校長である、宮嶋秀夫先生が、50年前の新校開校にかける熱い思いを歌詞にされたものと伺っています。その歌詞の1番には「自由の意気のあるところ、かがやく空にそびえたつ、われらが川口北高校」とあります。これは、「自主的、主体的に物事をやりとげようとする積極的な心、気概を持ちなさい」という意味です。本校に入学したならば、勉強でも、部活動でも人から言われてやらされるのではなく、自らの意志で、自ら計画を立て、自ら考えて行動することが求められます。特に勉強面においては、「予習、授業、復習」の黄金サイクルや、徹底した自己管理のもとでの「自学自習」を実現していくことになりますが、これらの根底にあるのは、「自主自律の精神」です。皆さんには、ぜひこの「自由の意気」を示してもらいたいと思います。
続いて、2番の歌詞には「友情の環をむすびつつ、真理の道を求めゆく」とあります。これは、「本校で出会ったたくさんの仲間たちと、友情を深め、互いに向上し合い、いつどんなときにも変わることのない、正しい物事の道理、本来あるべき道を追求しなさい」という意味です。本校には、高い志を持ち、学校生活のすべてにおいて頑張る仲間がいます。その仲間とともに、学問や人徳をより一層磨き上げ、仲間同士が互いに励まし合って向上すること、つまり「切磋琢磨」することが求められます。皆さんには、生涯にわたって高め合い、競い合える、たくさんの友人を作ってほしいと思います。
さらに、3番の歌詞には「理想の旗をうちたてて、知性と身体、鍛えゆく」とあります。これは、生徒ひとり一人が自分の理想を掲げ、「高いレベルでの文武両道」を成し遂げることを意味しています。高いレベルでの大学進学を目指すこと、部活動では全国レベルの大会を目指すこと、グローバルリーダーとして世界をまたにかけて活躍することなど、一見困難そうに見えることでも、敢えて大きな理想に向かって挑戦すること、つまり「大きな夢を持ち続けること」が大切です。この困難に挑戦することで、皆さんは成長し、人として大切な大きな基盤が出来上がるのです。このように校歌に込められた熱い思いを、川口北高校第51期生として受け止めてください。そして、早く校歌を覚え、辛い時や困難に出くわした時には、校歌の歌詞を思い出し、大きな声で校歌を歌って、どんな意味が込められていたかを考え、乗り越えてください。
最後になりますが、健康管理についてお話をいたします。今年度からの学校生活は、昨年までのコロナ禍でのそれとは大きく異なります。人とのコミュニケーションを積極的に取ることや、少しの体調不良などで安易に学校を休まないことなど、「マスクをして人との距離をとるように」と言われていた感染拡大防止の時とは正反対の対応が必要になってきます。ただでさえ、入学後の4月から5月にかけては、高校生としての忙しさを目の当たりにして、体調を崩す可能性が高くなります。しかし、そんな中でも皆さんの先輩たちは、必死にもがきながらもそれを乗り越えてきました。ぜひ、同級生だけではなく、早い段階で部活動などの先輩とのコミュニケーションをとって、学校生活のリズムをつかんでください。そのようにして体調管理が出来ると、勉強面での大変さも少し和らぐはずです。自分一人で抱え込まず、「チーム川北」の一員として大いに頑張ってください。
保護者の皆様に申し上げます。これまで、大切に育ててこられたお子様を川口北高校にお預けいただき感謝申し上げます。教職員一同、お子様の心身ともに健やかな成長と進路希望の実現、知性と教養を身に付けた品格ある人間の育成を目指し、時に優しく、時に厳しく接してまいりたいと考えておりますので、御理解・御協力のほど、宜しくお願いいたします。そして、保護者の皆様にはお子様の自立のためにも、温かく見守り、接していただきますようお願いするとともに、本校への御支援と御協力をお願いいたします。
結びに、新入生の皆さんが、元気にそして笑顔でいること、この3年間に大きな夢を持ち、成長されることを心から願い、式辞といたします。
令和6年4月8日
埼玉県立川口北高等学校長 高松健雄
令和6年度 前期始業式 校長式辞 【R6.4.8】
皆さん、おはようございます。令和6年度がいよいよ始まります。川口北高校の51年目のスタートです。今年度が、学校全体に笑顔があふれ、より一層元気で充実した1年になるよう期待しています。
それでは、新年度を迎えるにあたり、皆さんに2つの話をしたいと思います。まず1つ目ですが、春休み中は「勉強時間の確保」は実践できたでしょうか。完璧に、とまでは言いませんが、8割以上の達成感が持てる人については、「よく頑張った」と褒めてあげたいと思います。しかし、それ以下の人にとっては、「暗雲立ち込める状況」と言っても良いでしょう。納得のいく実践ができなかった人にもう一度、校長として声を大にして訴えます。学校は、第1に勉強する所です。「文武両道の精神を甘く見ないでください。」
特に3年生。いよいよ高校生活の集大成となる大切な1年です。何事も悔いの残らないように勉強、部活動、学校行事に、自らの最高のパフォーマンスを発揮して、文武両道の精神を貫いてください。前にも話した通り、”部活動をやめて勉強を”というのは本末転倒ですし、過去の先輩にもそれで成功どころか、予備校に通ったことだけで満足してしまい、大失敗をした人がいました。また、卒業の日を迎えたときに、部活動のOB・OGを名乗れないのは、とてもさみしいことになってしまいます。人間はその人の一生のうち、必ず何度かは大きな壁が前に立ちはだかります。皆さんにとって、そのひとつが今年です。昨年度の48期生の先輩の中にも、ほとんどの大学の受験にことごとく失敗しながら、国立大の2次試験まで粘って、合格を勝ち取った人がいます。何事も中途半端にならずに、自ら抱いた進路希望に向かって、とにかく粘り強く、最後まであきらめないで壁を乗り越えてください。
そんな大変な1年を迎える49期生の皆さんのために、コロナ禍などのために4年間実施してこなかった「宿泊形式による自学自習オリエンテーション」を7月に行います。学校全体で皆さんをバックアップをしますので、今からその準備のための勉強時間の確保を、歯を食いしばって始めてください。「49期生の絆」と「チーム川北」で成功を収めましょう。
2年生の皆さんにとっては、学校の中心となり、一番充実した高校生活が送れる時です。しかし、一方では誰が言い始めたかわかりませんが「中だるみの2年生」とも言われています。1年生の時の自分のだらしなさや、不甲斐なさを挽回したい人にとっては、学年が変わる今が絶好のチャンスです。3年生と同様に、「文武両道を甘く見ず」、また苦しい時に逃げ出すことで、その後の逃げ癖につながることのないように、ありったけの力を振り絞って、まずは勉強をしてください。
2点目です。今年度は意識改革の年として、学校全体でコロナ後の対応にシフトチェンジをしていきます。終業式でも言いましたが、皆さんが自分の希望を実現するためには、ある一定程度の無理をしなければ、それは叶いません。一定の配慮は当然必要ですが、少し具合が悪いからと言って簡単に学校を休んだり、少し疲れたから勉強や部活動などをさぼってしまったりしないよう、意識を変えてください。高校生である密度の濃い時を無駄にせず、自分自身に”負荷”をかけてください。このことは、今朝、先生方にも意識を変えていただくよう、また生徒を「鍛えて」くださいと、私からお願いをしたところです。やはり、皆さんの成長こそが我々の最終目標ですから、厳しい要求をしていくことが重要だと思っています。
ですから、今年度は、できることをやるのではなく、少し背伸びをして、高い志を持って目標を設定してください。決して簡単にあきらめたり、目標を低く設定することなどはせず、どんどんチャレンジしていってください。今日の午後からは1年生も入学してきます。1年生にも、皆さんと同様に「挨拶・返事・服装・清掃」そして「凡事徹底」によって品格を身に付けることについて話をします。上級生として、川北の歴史と伝統をしっかり引き継ぎ、真摯な姿勢で新入生を迎えてほしいと思います。
最後になりますが、初めにも言ったように、川口北高が、生徒も先生方も、みんな元気で笑顔あふれる学校として、51年目のスタートを切ることができるよう、皆さんの協力をお願いします。校長として、新年度の学校生活を充実させていけるよう、しっかりと見守っていきたいと思います。それでは今年一年、よろしくお願いします。
令和5年度 後期終業式 式辞 「文武両道を甘く見るな」 令和6年3月23日
皆さん、おはようございます。ちょうど1週間前に3年生が卒業し、この体育館も少しさびしい感じがしますが、間もなくフレッシュな51期生が入学してきます。来年度の1年生は9クラス、361名が入学する予定ですが、皆さんとともに新たな気持ちでスタートを切ることになります。
さて、令和5年度の終業式に当たって、私から3点皆さんにお話しします。まず1点目は、創立50周年の今年1年を振り返って、自分にとって納得のいく1年であったのか、それとも悔いの残る残念な1年であったのかを考えてもらいたいということです。その基準は、勉強にきちんと取り組めたか、学力を伸ばすことができたか、自学自習の精神は身に付いたか、生活スタイルを整えられたか、部活動にきちんと取り組めたか、体力、精神力の向上は図れたかなど、多角的な視点でのものです。まずは、これらのことをきちんと見直したうえで、次のステップに進んでもらいたいと思います。
2点目です。高校生活全般についての話をします。昨年5月に新型コロナウイルス感染症の法的な扱いが変わったことにより、私たちの生活にもいろいろな変化がありました。感染拡大中は、マスクをしろ、消毒をしろ、距離をとれ、黙食などと、さまざまな制限がありました。そして、発熱や咳、風邪症状などがあったら、とにかく無理をせず、休むような指導をしてきたところです。しかし、現在では皆さんを取り巻く環境は大きく変化をしたため、大幅に方針転換をし、意識改革が必要です。皆さんが描いている大きな夢や希望を実現するにあたっては、ある一定程度の無理をしなければ、それは叶いません。ほんの一例ですが、少し具合が悪い時に簡単に学校を休んでしまったり、少し疲れたからと言って勉強や部活動などの自分のすべきことをやらずに寝てしまったりしていませんか。大人の側にも一定の責任はあると感じていますが、”鉄は熱いうちに打て”という言葉があるように、今の高校生であるこの瞬間を、このひと時を無駄にせず、自分自身に”負荷”をかけてください。私たち大人も、今までのように腫れ物に触るような対応ではなく、皆さんの成長のために、厳しくいろいろな要求を皆さんにしていくことが重要だと思っています。ですから、新年度には、自分ができることをやるという姿勢ではなく、少しばかり背伸びをして、できそうもないことに目標を設定してください。皆さんの人生はこれから長いのですから、安易に判断し、行動するのではなく、自分の限界などを勝手に設定せず、どんどんチャレンジしていってください。
3点目です。前の話のまとめのようなものになりますが「文武両道の精神を甘く見ないでほしい」ということです。今年度の1、2年生の校長面談をして記憶に残ったのが、「まだ進路についてはあまり考えていません」、「部活動は充実していましたが、勉強面ではもう一つでした」、「疲れていてすぐに眠くなって寝てしまいました。」「スマホをいじる時間が長くて勉強の時間が確保できませんでした。」などという回答です。部活動は、顧問の先生などが計画を立て、仲間と一緒に練習をすることになりますが、勉強は自分で計画を立て、弱点を補強し、得意科目を伸ばす、といったことを自分だけでやり遂げなければなりません。そこに「大変さ」があります。しかし、大変だからといって、部活動をやめて勉強を、というのは本末転倒ですし、それでうまくいったという話はほとんど聞いたことがありません。部活動をやめたから、塾や予備校に行ったから、勉強ができるようになるというのは、まるで都市伝説のような大きな勘違いです。
皆さんは「文武両道」を求める本校にあっては、部活動で体力や精神力を身に付けるとともに、大変な苦労を重ねて勉強に励み、高い教養と学力を身に付けなければなりません。実際に先日卒業した3年生も、部活動をやり切って、進路でもしっかりと結果を残した人が数多くいました。人は苦しい時に逃げることを覚えると、逃げる癖がついてしまいます。部活動にもしっかり取り組んだうえで、勉強もしっかりやるのです。
そこで、15日間という長い春休みには、部活動に各自の目的を持ってしっかりと取り組むとともに、ノープランではなく、毎日の勉強計画を立てたうえで、2年生は1、2年生の復習を中心に、1年生は1年間の復習をしっかり行い、自信と実績を持って来年度のはじまりを迎えてほしいと思います。春休み中は部活動の合宿や遠征などを除き「1日平均5時間から6時間」の勉強を基本としてください。15日間で2年生だったら70時間以上、1年生なら50時間以上を目安に勉強をしてください。特に2年生は、これくらいのことができないと、受験勉強が本番となる夏休みに「1日10時間」を超える勉強にスムーズに移行することができません。通常の授業がない春休みだからこそ、あえて今、苦しい目標設定をしてください。川北での生活の第1歩はとにかく勉強時間の確保です。校長面談でも「隙間時間で勉強する」という人がいましたが、通常の勉強時間を確保したうえで、さらに「隙間時間を活用する」というのが正しい勉強の仕方です。「隙間時間だけ」で勉強時間が足りるわけがありません。いま、余裕のある時に苦労をすることが、受験本番の進路目標の実現に繋がります。頑張ってください。期待しています。
最後になりますが、歴代校長が引き継いできていることですが、皆さんは「明るく爽やかな挨拶」、「気持ちの良い返事」「清潔感溢れる服装」そして「心を込めた清掃」。まさに日々「凡事徹底」によって、品格を身に付けることが大切です。今年度も自転車の乗り方やマナーについて、苦情の電話を何回かいただいています。また、電車やバスの中での迷惑行為、飲み食いしながら歩く生徒の集団、品のない恥ずかしい行動です。急ぐ気持ちやお腹がすいていることはわかりますが、これは情けないことです。是非、謹んで下さい。普段の生活でも春休みでも、いつでも一緒です。健康に留意し、事故なく、勉強に部活動に充実した時間を過ごしてこの春休みを過ごし、4月8日の始業式に、全員が元気な顔を見せてくれることを願い、校長講話とします。
第48回卒業証書授与式 式辞 【令和6年3月16日】
厳しい寒さも幾分やわらぎ、暖かな日差しを受け、ここ木曽呂の丘でも春の兆しを感じるこの良き日に、PTA会長 伊藤洋二様、後援会会長 木村卓史様、同窓会常任理事 佐々木雅一様の御来賓をはじめ、多数の保護者の皆様の御臨席を賜り、埼玉県立川口北高等学校 第四十八回卒業証書授与式を挙行できますことは、本校にとりまして、この上ない誇りであり喜びでございます
ただいま卒業証書を授与いたしました三百四十四名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんは令和三年四月六日、本校の門を大いなる理想を抱いてくぐりました。その頃は、コロナ禍による制限がたくさんあり、本来の教育活動とは ほど遠い状況下での高校生活のスタートだったと思います。そんな中でも、皆さんは三年間、良く学び、厳しく自分を鍛え、川口北高校で大きく成長してきました。今年度に入ってからは、勉強面では、多くの人が難関大学を目指し、毎日の学習を積み重ね、よりグローバルな視点から全国レベルでの大学選択をしてきました。部活動では、陸上競技部のインターハイ出場をはじめ、文化部も運動部も切磋琢磨し、関東大会出場など高いレベルでの成績を残し、その活躍は本校の記念すべき創立五十周年の年に花を添えてくれました。これらのことは、皆さん一人ひとりの努力もさることながら、皆さんを温かく見守り支えてきた御家族や先生方、御支援を頂いている多くの皆様のお蔭でもあります。現在の自分がこの卒業の時を迎えられるのは、こうした方々の支えがあってのことだと自覚し、感謝の気持ちを忘れてはなりません。
さて、卒業にあたり二つほど話をいたします。まず一つ目は「大きな夢を持ち続けてほしい」ということです。このことについて、今年の七月から発行される新一万円札の肖像画に選ばれたことで、大きく注目された埼玉県出身の実業家「渋沢栄一」の話をしたいと思います。
「近代日本経済の父」と呼ばれた渋沢栄一は、幕末から明治期にわたる日本経済の発展には欠かせない人物の一人です。江戸幕府のヨーロッパ視察団の一員として随行し、先進的な技術や産業を見聞し、近代的な社会制度を知ったことが、のちの彼の実業家としての基盤となりました。その後、明治新政府に招かれ新しい日本の国づくりに奔走することになります。中でも、日本初の銀行や、世界遺産としても有名な富岡製糸場の設立などを手掛け、その後も五百以上の企業の創設・育成に関わりました。彼の考えは、「儲けのみを追求するのではなく、世のため人のために働いて儲ける」、つまり「公共の利益を追求することで皆が幸せになり、ひいては国が豊かになる」というものであり、こうした大きな夢を描いた実績が、今日、評価される一因になったと言われています。そんな渋沢栄一が語ったとされる名言のひとつに「夢七訓(ゆめしちくん)」があります。
夢なき者は理想なし 理想なき者は信念なし 信念なき者は計画なし
計画なき者は実行なし 実行なき者は成果なし 成果なき者は幸福なし
ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず というものです。
まとめると、「幸せな人生は、夢を持つところから始まる」ということであり、皆さんにも、ぜひこれを実践してもらいたいと思います。
これからの世の中は、生成AIをはじめとするさまざまな新しい技術が発達し、人間の考え方や生き方そのものを変える新たなフェーズに入ると予測されます。現在ある職業は、その半分近くがなくなり、皆さんの働き方などが大きく変わるとも言われています。大学進学や、就職だけがゴールではありません。渋沢栄一の言うように、生涯大きな夢を持ち続け、川口北高校で培った文武両道、凡事徹底、自学自習の精神、また「チーム川北」として身に付けたコミュニケーション力などに一層磨きをかけ、自分の持つ限りない可能性をさらに引き出していってほしいと思います。
二つ目は、私と同様に、これから川口北高校が母校になる皆さんの今までの頑張りを称えたいと思います。皆さんの中学三年生の時を思い出してみてください。志望校を決めるために、たくさんの学校説明会などに足を運び、川北を選んでくれました。そして、入試を突破するために塾に通ったり、夜中まで勉強したりして頑張りました。その結果、晴れて川北に入学することができました。あの時の合格の喜びは、今でも忘れられないものではないでしょうか。
その後、皆さんが四十八期生として入学してからは、中学校との違いに戸惑い、勉強と部活動の両立に悩んだ人もいたでしょう。そんな時、苦しいながらも友達や家族、先生たちがそばにいたことで、頑張れた人がいたと思います。また、新型コロナウイルスが流行っていたことで、多くの制限があり、マスクの着用も当たり前でした。友達の顔がよくわからず、新しい友達を作ることに苦労した人もいました。しかしそんな中でも、皆さんは勉強や学校行事に全力でぶつかっていくことができたと思います。
高校三年生になってからは、受験本番の一年として、本当に多くのプレッシャーと闘いました。文武両道を貫き、最後の引退の時まで部活動に熱心に取り組んだ人、薄暗い早朝から夜遅くまで学校で勉強した人、補習や予備校の講習に毎日欠かさず時間を費やした人、夏休みには一日十時間以上も机に向かった人、高校生活の最後に思いっきり文化祭や体育祭に力を注ぎこんだ人など、皆さんの頑張りは本当に素晴らしかったと思います。大学入試の結果が続々と入ってきましたが、あくまでも人生の通過点です。これからの人生をより良いものにするため、今までの自分の頑張りを信じて、今まで以上に熱く、何事にもチャレンジを続けてください。皆さんなら絶対にできるはずです。
川口北高校の第四十八期生として入学した皆さんも、いよいよ今日旅立ちます。川口北高校の卒業生としてのプライドを持ち、社会に出てからも困難に立ち向かい、大きな夢を持って、明るく、元気な社会の一員になることを期待しています。
保護者の皆様に、お祝いとお礼を申し上げます。お子様の御卒業、誠におめでとうございます。十八年間お子様を大切に育て上げ、喜びもひとしおのことと思います。お子様たちは大変立派に成長しました。三年間にわたり、本校の教育の充実、発展のために温かい御支援、御協力を賜りまして厚く御礼を申し上げます
結びに、本日、御臨席を賜りました御来賓の皆様にお礼を申し上げますとともに、卒業生一人一人の将来に幸多からんことを心から祈念して式辞といたします。
令和六年三月十六日
埼玉県立川口北高等学校長 高松 健雄
1月9日 全校集会 校長講話「災害への対応と新年に期待すること」
皆さん明けましておめでとうございます。新年は新たな目標を立てるなど、順調に進んでいるでしょうか。本来であれば、明るい未来への話をしたいところですが、まずは、能登半島地震と羽田空港の事故について触れたいと思います。
元日の夕方、能登半島では、関東地方でも相当な揺れを感じる「震度7クラス」の地震がおこりました。これだけでも、「正月気分どころではない」と思っているところへ、1月2日の羽田空港での飛行機事故があり、とんでもない年明けになってしまいました。
どちらも被害に遭われた方々には、ご冥福をお祈りし、そしてお見舞いを申し上げたいと思います。また、こういう時だからこそ、生徒の皆さんにも、災害や事故について改めて考えてもらいたいということ、私たちが今できることを考え、精一杯やらなければいけないということをお伝えしようと思っています。地震については、津波の被害こそ東日本大震災に比べて少なかったにせよ、やはり津波の怖さを改めて思い出しました。また、あれだけ大きな揺れで家屋が倒壊したり、道路が陥没したり、火災がおこったりしたことで、やはり自然災害には人間の力など、本当にちっぽけなものだ、ということを思い知らされました。まだ、行方不明の方がいたり、避難生活をしている人たちが多数います。1人でも多くの方の命が助かり、その生活が1日でも早く元に戻るようお祈りしたいと思います。ただ、ひとつだけ言えることは、東日本大震災などのさまざまな経験から、避難をはじめとする対応力や、その後の災害への動きの速さについては、ある程度は進歩・工夫されているのだということも確認ができました。
もう一方の、羽田の飛行機事故については、「日航機の乗客乗員が全員無事だったことは奇跡的だ」と、国内外からもとても高い評価を受けています。そこでは、衝突後、炎が上がった後の避難の際に、機長との連絡がうまくいかなかったにもかかわらず、客室乗務員の方が適切に判断し、乗客の皆さんがその指示にしっかりと従い、行動ができたからこその結果なのだと思います。犠牲者が出たことはたいへん残念ですが、それが最小限で済んだことは、不幸中の幸いですし、普段から、皆さんが行っている学校や職場での訓練の重要性を改めて感じることができました。皆さんに改めて伝えますが、災害や事故はいつ襲いかかってくるかわかりません。日常の備えと行動、そして経験値を高めるための防災訓練などを大切にしてください。
さて今日は、災害の話をしたこともあり、新年を迎えるにあたって、ひとつだけ皆さんに期待することをお話します。3年生の皆さん。今まで、自分を追い込み、日々努力を重ね、受験に向けての準備をしてきたと思います。努力は決して裏切りません。今週末にはいよいよ共通テストです。試験会場は本校で行われます。それをぜひ、自分にとってプラスにしてください。試験会場に向かうのに余裕をもった時間で起きたり、その時間のペースで家を出たりして、あと数日は身体のリズムを整えましょう。今まで、高いレベルでの文武両道を目指して努力してきた皆さんなら必ず、自分の実力を発揮してくれるものと期待しています。
1、2年生の皆さんは、これからの3ヶ月がとても大切です。2年生は3年生に向けての「いわゆる0学期」のスタートです。「先んずれば人を制す」とも言います。1年生は、自分の苦手科目を克服するなどして、進路選択の幅を広げてください。出来ないことの「愚痴」や「言い訳」、周囲の環境に対する「不満」や「不平」は非生産的です。どうしたらできるのか、どうすれば成果をあげられるのか、自分が置かれた立場で工夫をし、物事を考えてください。
最後になりますが、ひとつ良いお知らせを紹介します。今朝ほど、茨城県の稲戸井駅の方から学校あてにお礼の電話がありました。詳しいことまでは言いませんが、1月6日に本校の生徒が、ケガだか病気の方の救急対応をしてくれて、本当に助かった、感謝しているというものでした。対応してくれた生徒、本当にありがとうございました。校長としてとても嬉しく、また誇りに思っています。
新年早々、厳しい話が多かったと思いますが、寒い日がまだまだ続きます。風邪などひかないよう、十分な計画と実行力でこの冬を乗り切ってください。
12月22日 全校集会 校長講話「夢を描くことから始めてみませんか」
皆さん、おはようございます。早いもので、今年も残すところ、今日を入れてあと10日、3年生にとっては、共通テストまで3週間となりました。
今年1年を振り返ってみると、コロナ禍が落ち着き、勉強でも部活動でも、ほぼ通常通りにできるようになりました。校長の立場から見て、学校全体としては、勉強と部活動の両立を図ろうと、よく頑張ったと思います。文化部、運動部を問わず、関東大会や全国大会に進出したこと、またそれ以外のところでも自分たちの力を発揮して、それぞれが活躍をしたことが今年はたくさんありました。
私としては、こうした皆さんの活動の様子を、ホームページやインスタグラムで発信してきましたが、学校の魅力を外部に伝えながら、皆さんの「人」としての成長をたいへん強く感じることができたと思っています。
さて、今年の4月から12月までの校長面接では1,000人以上の皆さんと話をしました。そこでは、様々な夢や希望を持ち、時には迷ったり、もがいたりしながらも、この川口北高校で充実した毎日を送っているということを聞くことができました。その中で強く印象に残ったことは、「大きな夢や希望を語っている人ほど、日々の努力を重ねている」という事実です。逆に言えば、日々の努力が足りないと感じている人は、将来のことも未確定だったり、まったく考えていない、ということもあったと記憶しています。
そこで今日は皆さんに、ディズニーランドの創始者であるウォルト・ディズニーの有名な言葉を紹介したいと思います。それは・・・・・「 If you can dream it , you can do it. 」です。
日本語では「夢を描くことができれば、それは実現できる」というものです。
例えば、家を作ろうとしたら、まず「設計図」を書いて、どんな形にするかを決めてから作るように、夢を実現させるためには、まずは「思い描くこと」から始めなければいけないということです。今、ここにいる3年生の中には、受験直前でネガティブな気持ちになっている人が結構いると思います。第1志望校への合格を勝ち取りたいのなら、まずは合格が実現した後のことを鮮明にイメージすることが大切です。
そしてもう一つは、今日の段階で多少模試の成績などが伸びていないとしても、それはこの際、気にせずに、まずは今日から共通テストまでの3週間、過去最高に必死になって勉強してみてください。そして、朝型の勉強を貫いてください。たったの3週間では、どうにもならないと思うかもしれませんが、実はここで頑張れるか、頑張れないかが皆さんの一生を左右する大切な期間だと私は思っています。
少し大げさに言うと、今日からの3週間、必死に頑張って受かった人、あるいは必死に頑張ったけれど、第1志望校には受からなかった人については、「この3週間は、とにかく頑張れた」とか、「必死に頑張ったけれど、それ以前の準備が足りなかったから、第1志望校に受からなかった」ということであれば、それなりに納得はできるのだと思います。しかし、ダメなのは、「この3週間、必死に頑張ることもせず、結果としてそれなりの大学には受かったけど、最後は何となく頑張れなかった」とか、「やろうと思ってはいたけれど、たったの3週間でさえも、自分は頑張れなかったんだ」という気持ちのまま、受験シーズンを終えることです。その場合、今は感じないかもしれませんが、将来、自分に対する悔しい思いをずっと引きずっていくことになるかもしれません。とにかく、今日からの厳しい冬の3週間を「必死になって頑張れた」「やるべきことはやり切った」と胸を張って言えるように、全力で机に向かってください。そして、朝型です。チーム川北の応援団長として見守りたいと思います。
1・2年生についても、これに通じる所があると思いますが、文武両道の精神を掲げる川北では、勉強と部活動の両立、自学自習、黄金サイクルの徹底など、どんなことでも当たり前のことを当たり前にやる、いわゆる「凡事徹底」を皆さんに求めています。全ては、高校を卒業してからの人生を豊かに、幸せに、そして充実したものにしてほしい、という思いから、皆さんにはレベルの高い、ある程度、厳しい要求をしています。ぜひ、最後までやり切った自分自身の未来の姿を描いてみてください。その上で、日々の地道で、着実な努力を積み重ねてください。
そこで1・2年生の皆さんには、私から冬休みの宿題です。それは、かねてから全校集会や校長面接でも、私が皆さんに言っている「目標を立てる」ということです。ウォルト・ディズニーの言う「夢を描くこと」とは、皆さんの現実に置き換えれば、まさしく、それぞれの個性や能力を生かした「将来の目標を立てる」ということです。そして、そこから逆算して、いつまでにどんな力をつける必要があるのか、何をどのくらいやれば良いのかという期限や数値目標を設定してください。
また、目標が大きすぎたり、長すぎたりすると、雲をつかむような話になってしまいがちです。そうならないためには、まずは短期の、短いスパンの目標を立てることです。そして、目標が達成できたかどうか、結果を自分で検証し、上手くいかなかったならば、修正を加え、再度チャレンジをすることです。ここで一番ダメなのは、目標すら立てずに、目標に向けた努力を1ミリもしないことです。まずは「明日から」ではなく、「今日から」小さな目標への挑戦、スモールステップを実行してみてください。
最後に、有名なフレーズですが、皆さんにアメリカのウイリアム・ジェームズという心理学者の言葉を贈って、今年を締めくくりたいと思います。
「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。」
風邪などひかないように健康に留意して、事故なく、充実した冬休みを過ごしてください。
令和5年度 第3回学校説明会 校長挨拶
受験生の皆さん、そして保護者の皆様、こんにちは。本校校長の高松でございます。本日は川口北高校の第3回学校説明会に、お越しいただき、たいへんありがとうございます。心より歓迎申し上げます。
まず初めに、本日、ここに来ていただいた大部分の受験生の皆さんにとって、今日が「第一志望校決定の説明会だ」ということを前提にお話をさせてもらおうと思っています。皆さんの中学校でも三者面談などを通して、最終的な志望校を決める話が進んでいると思いますが、1番不安なのは学校になじめるか、入学してからどんな先輩やどんな同級生と3年間過ごすのか、ということだと思います。そのため、今、皆さんがいる教室には、本校生徒を担当として配置していますので、私や教頭の話の後に、ぜひたくさんの体験談などを聞いてもらい、多くの質問をしていただけると良いと思います。また、よく聞く話ですが、勉強について行けるのかという不安もあると思います。私が行っている全校生徒との校長面接で聞いた話ですが、特に1年生は入学直後、中学校との勉強の量と内容の違いに戸惑っているようです。ただ初めは忙しくて大変ですが、入学して2カ月くらいで慣れてくるということですし、友達同士や教員のサポートもありますので安心してください。
2点目ですが、本校はご案内の通り今年度、創立50周年を迎え、その記念すべき年にさまざまな挑戦をしています。今皆さんが手にしている「制服リニューアル」の案内にあるように、来年から制服が大きく変わります。ちょうど先週、創立50周年の記念式典で新制服の披露をしましたが、本校生徒がモデルとなった様子を、公式インスタグラムで見ることができますので、後ほどぜひご覧いただきたいと思います。また、このインスタグラムでは、本校の日常の授業や部活動の様子、文化祭や体育祭などの学校行事の様子など、川北の魅力を日々発信しています。ぜひ、多くの方々に見ていただき、ぜひフォロワーになっていただけると嬉しく思います。一方、実際に見ていただけばわかることですが、私立高校や新しくできて、まもない学校とは違って、決してピカピカの奇麗な校舎ではありません。しかし毎日、心を込めて清掃をして丁寧に使っている校舎です。また、学校周辺や敷地の中にも緑があり、自然豊かな落ち着いた環境で、学習に、部活動に、学校行事に頑張っている生徒たちがたくさんいますので、この後の部活動見学などでは、生徒たちの実際の姿をよくご覧いただきたいと思います。
3点目ですが前回同様、校長として歴代校長から引き継がれている『川口北高生に求めること』についてお話したいと思います。まず第1に川北生に求めることは、「品格」を持ってほしい、ということです。何も難しいことを求めているわけではありません。「明るく爽やかな挨拶」、「気持ちのいい返事」「清潔感あふれる服装」「心を込めて行う清掃」など、日々、当たり前のことである「凡事」を徹底して行うことを求めています。これこそが本校の校風を創り上げた原点になっていると考えていますので、今後も大切にしていきたいと思います。
第2に求めるのは「高い志」を持つことです。コロナ禍や事件・事故、世界各地で起こっている紛争など、この激動の世の中を生き抜くためには、「高い志」を持つことが大切です。自分が将来、何をしたいのか、どんな生き方をしたいのかを考え、生涯にわたって、社会に貢献するという強い意志を持ってほしいと思います。そのために本校では、勉強でも、部活動でも、すべてにおいて積極的に自分を磨き、自分を高めることが必要だと考えています。
第3は、「授業」を大切にすることです。本校では近年、多くの大学で重視されている、文系や理系に偏らない教育、これを「文理融合教育」と呼んでいますが、これを高校段階で実現することを目指しています。そのため、1・2年生では、文系理系に分けることなく、全員がまんべんなくすべての教科目を学ぶことを基本としています。一部の高校では、徹底的に大学受験だけを目指す予備校的な学習だけをしている所もありますが、本校では受験に役立つ力をつけることはもちろん、高校生の今の時期だからこそ、大学に入ってから役に立つ力、または社会に出てから役に立つ力を身に付けさせたいと考えています。
以上の3つのことを求め、生徒と教職員、そして保護者の皆様の協力を得ながら「チーム川北」として、夢の実現に向かって行くことこそが、「川北の伝統であり校風」として受け継がれているものです。ぜひ、皆さんも本校に入学して、充実した高校生活を送ってほしいと思っています。
さて、最後になりますが冒頭にも話した通り、今日は受験生の皆さんに「川口北高校」を第1志望校として決めてほしいと思ってお話をしています。これまでの半世紀にわたる歴史の中で、多くの先輩方が創り上げた『伝統と校風』が今日の川北の支えとなっています。常に前向きな姿勢で、物事に真面目に取り組み、たとえ失敗したとしても簡単には諦めず、粘り強く頑張れる生徒が育つ学校です。また、生徒一人ひとりを大切にする教育、文武両道と自学自習に励み、地道で真面目な学校です。皆さんの才能やその可能性を、ぜひ川北で育て、開花させましょう。そして、4月から川北生になって新たな歴史を刻んでほしいと思います。これから、12月にかけてもっと寒くなると思います。体調を崩したりすることがないように、自己管理だけは怠らないでください。
それでは皆さんの健康と成功をお祈りして、私の話は終わりたいと思います。ご清聴ありがとうございました。
創立50周年記念式典校長式辞(令和5年11月18日)
式辞
本日、県教育委員会をはじめ多数のご来賓の方々のご臨席を賜り、埼玉県立川口北高等学校創立五十周年記念式典を挙行できますことは、私ども本校の教育に携わってまいりました者にとりまして、誠に喜ばしいことであり、心より感謝申し上げます。
本校は昭和四十九年に、見沼代用水東西の両路と芝川の周辺という自然豊かな川口木曽呂の地に開校いたしました。そして、開校より今日に至るまで、地域の皆様に支えられながら、地域から信頼される人材育成に邁進してまいりました。
これまでの五十年を振り返ると、黎明期には「若く新しい学校であるがゆえ、教職員の教育に対する情熱は燃えるように盛んであり、常に新しい工夫をしながら毎日の教育実践が展開されていた」と、現在でも発刊され続けている、本校の教育実践を記録した「川口北高の教育」という小冊子の創刊号に紹介されています。また、時代を経て新しく生まれ変わる過渡期においては、歴代の校長先生をはじめとする教職員の皆様が築き上げた土台の上に、生徒の進学や部活動の実績も大いに向上し、「文武両道の進学校」としての道を歩みはじめました。さらに、その後も着実に成長を続け、埼玉県南部地区有数の進学校としてその名を県下に轟かせ、現在の成長期へと繋がる「川北の歴史と伝統」が受け継がれてまいりました。こうした本校五十年の歩みを支えていただいた多くの教職員の皆様に心より感謝を申し上げます。
令和元年度の終わりに、私たちの前に新型コロナウイルスという目に見えない大きな壁が立ちはだかり、「臨時休業」や「分散登校」、学校行事の縮小や部活動の制限など、かつて経験したことのない対応を迫られることとなりました。しかし、この間も生徒、保護者、そして教職員の「チーム川北」による積極的な取り組みにより、感染防止対策の徹底が図られ、独自にICT活用を進めるなど、学びを止めない体制を整えることができました。今年度になり、感染拡大にもようやく明るい兆しが見えてくるとともに、創立五十周年という、未来へとつながる記念すべき年を迎えることとなりました。
現在本校では、「文武両道の精神のもと、高い志と品格を備えた未来を拓くグローバルリーダーを育成する学校」を目指す学校像とし、文理融合の理念のもと、新たな教育課程を編成し、ICTの活用や教科横断型の探究活動などの新しい学びを創ることに取り組んでいます。単なる知識の習得だけでなく、生徒の「知りたい」という疑問から始まる真の学ぶ力を育成し、国公立大学や難関私立大学への進学実績の向上に繋げています。また、「高いレベルでの文武両道」を掲げ、部活動では運動部・文化部ともに、全国大会や関東大会に出場するなどの実績も上げています。さらに、全校生徒との校長面接や数々の個人面談により、生徒一人ひとりを大切にする教育も継続しています。こうした日々の地道な取り組みによって、今日の川口北高校の価値が高められ、多くの方々から信頼を得ることができるようになったのだと思います。
さて、生徒の皆さん。すでに知っての通り、私は本校に初めて赴任した卒業生の校長であり、第7期の卒業生として、皆さんの先輩にあたります。創立五十周年を迎えた記念すべき年に、母校の教育に携われることをたいへん光栄に思うとともに、その責任の重さも実感しています。本校の黎明期を生徒として過ごした私だからこそ、今の生徒の皆さんに伝えるべきことがあると考えています。それは、いつの時代にあっても、わが母校である川口北高校は、常に前向きな姿勢で、物事に真面目に取り組み、たとえ失敗をしたとしても簡単には諦めず、粘り強く頑張れる生徒たちを育ててきた学校だということです。一万七千余名の卒業生の諸先輩方がそのバトンを繋ぎ続け、歴史と伝統の中から今の校風を創り上げてきてくれました。皆さんには、そのバトンを受け取り、多くの学びや発見をしながら、更なる発展を遂げてもらいたいと思います。
結びに、創立五十周年記念事業の計画から実施に至るまで、ご支援をいただきました実行委員会の皆様、これまで本校の充実・発展のためにご尽力いただきました、地域や関係機関の皆様、そしてPTA・後援会、同窓会や生徒、保護者、教職員の皆様に、心よりお礼を申し上げますとともに、新たな五十年に向けて歩み始めた川口北高校に一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、式辞といたします。
令和五年十一月十八日
埼玉県立川口北高等学校長
高松 健雄