校長のことば

校長のことば

救急法講演会・講習会(教職員版)

 7月に入りました。梅雨入りのままではありますが、暑い日が続いています。今日(7/1)は期末考査2日目、生徒の皆さんが勉学に励んでいる間に、私たちはまもなく行われる校外行事に向けた準備の一環として救急法講演会・講習会を実施しました。前回の投稿と似たような写真になってしまいましたが、私たちも頑張っている姿を御覧いただけると思います。1週間後には1年生が林間学校、2年生は修学旅行となります。

 ”備えあれば憂いなし”ということで、私も胸骨圧迫による心肺蘇生法を実践してきました。

 残念ながら撮影者のため、写真はありませんが。

 

ちょっと前の話 その2 救命救急講習会(生徒版)

 こちらも少し前のお話。

 面談週間を有効に活用し、生徒対象の救命救急講習会を実施しました(6/13)。

 いわゆるAEDの講習会です。保健委員と運動部の生徒がメインの対象でした。

 もちろん私も以前に講習を受けたことがありますが、時間が経つと細かい部分を忘れてしまうものです。

 見学をさせてもらって、記憶を蘇らせました。

 道端で倒れた人がAEDのおかげで助かった、という記事を新聞などで目にすることがあります。実際に遭遇した時に慌ててしまうことのないよう、真剣に生徒たちは参加していました。

 これには、地元の消防署の方が協力してくださいました。ありがとうございました。

 

ちょっと前の話 その1 面談と図書館

 少し前の話になりますが、本校では面談週間がありました(6/9~6/13)。

 御来校いただいた保護者の皆様、御協力ありがとうございました。

 ここでは、面談の様子を載せることができませんので、その際のおまけ写真を。

図書館入り口のマスコット?

図書館待機組

 

 

 

 

 

 

 

 

 保護者面談は、午後の時間をかけて行うことから順番によっては待ち時間が長くなることもあります。

 この写真は、つまり待機中の生徒の様子、ということになります。

 何を読んでいるのか、何か勉強をしているのか、そこは追及しないことにしますが、ほぼ満席にもかかわらずシーンとしていました。

 図書館から帰るとき、手ぶらももったいないと思って私も本を借りることにしました。

 タイトルは御覧の通り、マンガ大国の日本です、マンガだからといって侮れません。いろいろな学びにつながるものがあることがよくわかりました。

令和7年度 入学式 校長式辞 【R7.4.8】

式辞

 新緑が輝きを増し、すがすがしい春の風が吹き抜けていく今日の佳き日に、PTA副会長 〇〇 〇〇様をはじめ多くの御来賓のご臨席を賜り、埼玉県立川口北高等学校 令和7年度 入学式を挙行できますことは、本校教職員一同にとりまして、誠に大きな喜びであります。

 ただいま入学を許可しました358名の新入生の皆さん、入学おめでとう。皆さんの入学を心から祝福します。

 さて、現代をVUCAの時代と表現されている記事を新聞や雑誌等で見かけます。VUCAとは、変動性、不確実性、複雑性、曖昧性といった意味の英単語の頭文字をならべたものであり、「予測困難で不確実、複雑で曖昧な状態」を意味しています。 

 そのような時代に高校生活を送ることとなった皆さんに、私からいくつかお話をしたいと思います。

 今日から本校の一員となった皆さんは、川口北高校でこんなことをしたい、あるいはこういった実績を手に入れたい、そんな思いをもって入学してきてくれたことでしょう。川口北高校に合格したことが自分のゴールです、そんな人はここにはいないはずです。

 さきほど、今の時代は予測が困難でありまた不確実である、といったことを伝えました。つまり、これから先がどのような世の中になっていくのか、その見通しを非常に立てにくい状況にあるということです。

 そのようなとき、私たちはついつい変化に即座に対応できるような柔軟性を重視してしまいがちです。もちろん、柔軟性は大切であり必要な資質であることに間違いはありません。しかし、その前に皆さんが身に着けていなければならないことは何でしょうか。

 ここで本校の目指す学校像を紹介したいと思います。

 「文武両道の精神のもと、高い志と品格を備えた未来を拓くグローバルリーダーを育成する学校」、これが本校の目指す学校像です。

 まず皆さん自身に備えてもらいたいこと、それは今紹介した目指す学校像の中にある、“高い志と品格”です。

 中学校を卒業したばかりの皆さんですから、現時点で高い志と品格を持ち合わせているとは考えていません。これからの3年間の中でしっかりと身に着けていってもらいたいと考えています。 

 では、高い志と品格を備えるには何が必要か。いくつも答えがあると思いますが、その中の一つとして、“視野を広げること、広い視野を持つこと”を挙げておきたいと思います。

 広い視野を持つことができれば、自分の起こした行動が他者にどのような影響を与えてしまうのか、といった想像力を働かせることができます。少なくとも、他者に良い影響を与えないと予想されるなら、計画している内容を実行することはないでしょう。 

 皆さんには視野を広げるための努力をし続けてもらいたいと思います。本を読むということもあるでしょう、受験勉強に取り組んで思考力などを養うこともいいかもしれません。部活動などで上位大会に進出し、素晴らしい選手のプレイを見ることも大いに勉強になります。

 入学したばかりの皆さんであるからこそ、今は自分自身を鍛える時期ととらえ、様々なことに取り組むことで視野を広げ、高い志や品格を備えていってください。そして3年後、十分に成長した皆さんには、予測困難な不確実な時代を柔軟に自由自在に過ごしてもらいたい、そう願っています。

 もう一つだけ皆さんにお話をしておきます。

 これからの皆さんの行動範囲はぐっと広いものになってくるでしょう。そのことに伴って、交友関係も格段に広がるはずです。このことは、先ほど言った視野を広げるという意味でもいいことだと考えています。この交友関係の広がり、私はそこで学んでほしいことがあります。それは、人間関係作りです。新型コロナウイルス感染症の対応の影響もあってか、ここ数年、人間関係作りがうまくいっていないと感じるケースをいくつか見てきました。誰が悪いというのではありません。人との接し方の経験不足が原因だと私は理解しています。

相手を尊重した上で自分の考えを主張すること、このことが人間関係作りでは大切なことだと私は考えています。一方的に自己主張するのではなく、相手の考えを聞きながら終着点を見つけていく。時に衝突することもあるかもしれませんが、相手を尊重するという意識がお互いにあればいがみ合うことは回避できるはずです。

 川口北高校の3年間で人間的にも大きく成長することを期待しています。

 保護者の皆様に申し上げます。本日、皆様の大切なお子様をお預かりいたしました。私ども教職員一同、大変、身の引き締まる思いでございます。高校の三年間は、子どもから大人へと心身が変化するとともに、人生の方向を定めていく大切な時期でもあります。それゆえ、悩みや苦しみを大きく抱える時期といえるかもしれません。お子様のより良い成長には、本人の努力はもとより、御家庭の御協力も欠かすことができないと考えております。保護者の皆様には、学校の教育方針に御理解をいただきますとともに、御協力と御支援を賜りたいと存じます。お子様が安心して高校生活を送ることができますよう、日頃から保護者の皆様と学校との連携を密にしてまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いします。

 むすびに、御来賓の皆様をはじめ、常日頃から多大な御支援をいただいておりますPTA、後援会、同窓会、また地域をはじめとする関係者の方々、すべての皆様に心からの感謝を申し上げ、式辞といたします。                                           (2216字)

令和7年4月8日

                                   埼玉県立川口北高等学校長 田部井 洋

令和7年度 始業式 校長式辞 【R7.4.8】

 みなさん、おはようございます。この4月に着任しました、田部井といいます。

 早く本校に慣れて、皆さんと一緒に川口北高校を盛り上げていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

 新年度のスタートにあたり、少しお話をしたいと思います。今日、お話しするのは1点だけです。それは、自分の置かれている環境にしっかりと応えていこうということです。

 私はこれまで7つの高校に勤務してきました。その上でのお話だと思って聞いてください。

 私はこちらに着任してまだ一週間しか経っていませんけれども、本校の先生方のすごさに毎日圧倒されています。ここにいる皆さんは、今の環境が普通であって当たり前のこと、と、とらえているかもしれませんが、そんなことは決してありません。

 4月1日、今年度最初の職員会議がありました。資料を見ていて感じたことは、生徒である皆さんのためにさまざまな取組を先生方がされている、ということでした。皆さんの進路実現に向けての進路指導や学習のこと、あるいは体の健康に関すること、そして部活動についてなどなど、本当に盛りだくさんのことが資料には記されていました。

 皆さんの成長のために、どの分野のことであっても計画的に緻密に資料が作られていて、資料を読んでいて皆さんのことをうらやましく思った、というのが私の率直な感想でした。

 話のはじめに、自分の置かれている環境にしっかりと応えよう、と皆さんに言いました。皆さん自身は、先生方が取り組んでくれていることに応えるような行動をどれくらいしているでしょうか。各自で振り返ってみてください。どうでしょうか。100%とはいわないまでも、80%くらいは先生方が取り組まれていることに応えているでしょうか。

 30年以上教員生活をしてきた私から皆さんに伝えたいことは、先生方のやる気を引き出すのは、何よりも皆さんの頑張っている姿だということです。

 今、川口北高校の先生方が頑張ってくださっているのは、もちろんここにいる皆さんも含めてですが、皆さんの先輩たちが、先生方の取組に応えようという姿を見せてくれていたからだと思っています。

 令和7年度がスタートしました。職員会議の資料やこの一週間の先生方の姿からは、生徒の皆さんに対してしっかりとボールが投げられていることがよくわかりました。あとは皆さんがどんな行動をしてお返しをしていくか、ということだと思います。引き続き頑張ろうという人もいるでしょうし、今年こそはという人もいると思います。

 どちらの立場であってもかまいません。各自でしっかりと目標を立てて、悔いの残らない1年間に共にしていきましょう。私からは以上です。

1,089字

令和6年度 終業式 校長式辞【R7.3.24】

 皆さん、おはようございます。先週3年生が卒業して、この体育館も少しさびしい感じがしますが、間もなくフレッシュな52期生が入学してきます。4月には皆さんも新入生とともに新たな気持ちでスタートを切ってください。

 さて、令和6年度の終業式に当たって私から2つ皆さんにお話しをします。まず1つ目は、およそ1年前に今の1年生の入学式でも話しましたが、2年生は聞いていないと思うので、再度本校の校歌について話したいと思います。

 本校の校歌は、初代校長である宮嶋秀夫先生が、51年前の新校開校にかける熱い思いを歌詞にされたものと伺っています。その歌詞の一番には「自由の意気のあるところ、かがやく空にそびえたつ、われらの川口北高校」とあります。これは「自主的、主体的に物事をやりとげようとする積極的な心、気概を持ちなさい」という意味です。勉強でも、部活動でも人から言われてやらされるのではなく、自分の意志で、自分で計画を立て、自分で考えて行動することが求められます。特に勉強面では、「予習、授業、復習」の黄金サイクルや、徹底した自己管理のもとでの「自学自習」を実現していくことです。皆さんには、ぜひこの「自由の意気」を示せる川北生であってもらいたいと思います。

 続いて、二番の歌詞には、「友情の環をむすびつつ、真理の道を求めゆく」とあります。これは、「本校で出会ったたくさんの仲間たちと、友情を深め、互いに向上し合い、いつ、どんなときにも変わることのない、正しい物事の道理、本来あるべき道を追求しなさい」という意味です。本校には、高い志を持ち、学校生活のすべてにおいて頑張る仲間がいます。その仲間とともに、互いに励まし合って向上すること、つまり「切磋琢磨」することが求められます。皆さんには、生涯にわたって高め合い、競い合える、たくさんの友人、仲間を作ってほしいと思います。

 さらに三番の歌詞には「理想の旗をうちたてて、知性と身体、鍛え行く」とあります。ここが私の一番好きな部分なのですが、これは、生徒1人ひとりが自分の理想を掲げ、「高いレベルでの文武両道」を成し遂げることを意味しています。高いレベルでの大学進学を目指すこと、部活動では全国レベルの大会を目指すこと、グローバルリーダーとして世界をまたにかけた活躍を目指すことなど、一見、難しそうに見えることでも、敢えて大きな理想に向かって挑戦すること、つまり「大きな夢を持ち続けること」が大切です。この困難に挑戦することで、皆さんは成長し、人として大切な大きな基盤づくりができるのだと思います。

このように50年以上前に作られた校歌に込められた熱い思いを、皆さんは今の川北生として受け止めてください。そして、辛い時や困難に出くわした時には、校歌の歌詞を思い出し、大きな声で校歌を歌って、どんな意味が込められていたかを考え、乗り越えてください。

 2つ目の話ですが1、2年生ともに、今年度1年間を振り返ってみてください。2年生は夏休みになった頃から3年生の先輩たちから部活動や学校行事などを引き継ぎ、1年生の面倒を見ながら、たくさんの仲間とともに新たな体制づくりに苦労しながらも、頑張ってきたと思います。1年生は入学してから2、3ヶ月は 中学校との違いに苦しみ、もがいていた人もたくさん いたと思いますが、夏休みを終えた頃から色々なシステムにも慣れ、自分らしさを出せるようになった人もいたと思います。そして、2年生も1年生も今年度の初めの頃よりも、勉強のやり方や進路希望のこと、科目選択や大学調べなど、いろいろなことで、迷ったり、悩んだりすることが多くなったのではないでしょうか。

 そこで、新年度に向けて、皆さんに私からの最後のアドバイスです。人生は本当にいろいろなアクシデントがあったりしますし、思い通りにならないことの方が多いのも、また人生です。そして、人は人生の節目、節目で何度も自分で「選択」をしなければならない ことがあるはずです。その選択する力をつけるためにも、受験勉強などとは違う次元で、文系とか理系とか偏った知識だけを詰め込んで賢くなるのではなく、自分がやりたいことを探り、究めていくこと、つまりこれが探究ということになりますが、皆さんには、粘り強く、志高く、総探ゼミで今年やってきた最先端の探究的な学びを大切にしてほしいと思います。そして、もしも人生の選択に迷った時には、簡単に答えを出せる楽な道よりも、自分で考えて、考えて、考え抜いて答えにたどり着くような、少し難しい道を選んで欲しいと思います。

 最後になりますが、先ほど「最後のアドバイス」と言ったのは、今年度で、私は60歳、還暦になりました。校長の職は「役職定年」ということになります。また、公務員には定年延長という制度がありますが、私は定年延長はせずに3月31日付けで、川口北高校の校長を最後に「退職」をします。4月に皆さんにこの場で再び会うことはできませんが、これからは川北の先輩として皆さんの成長を見守り、成功を祈っていますので、文武両道の精神を忘れずに、そして困ったら校歌の歌詞を思い出して頑張ってください。楽しく幸せな校長生活を送れて、皆さんには本当に感謝しています。ありがとうございました。

第49回 卒業証書授与式 式辞【R7.3.18】

 厳しい寒さも幾分やわらぎ、暖かな日差しを受け、美しい花々がここ木曽呂の地を彩り始め たこの良き日に、PTA会長 木村卓史様、後援会会長 伊藤洋二様、同窓会常任理事 戸嶋康人様の御来賓をはじめ、多数の保護者の皆様をお迎えし、第49回卒業証書授与式を挙行できますことは、私たち教職員にとりまして、この上ない喜びでございます。

 ただいま卒業証書を授与いたしました356名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんは3年前の令和4年4月に、大いなる理想を抱いて本校の門をくぐりました。その頃は、まだコロナ禍による制限がいくつもあり、本来の学校の教育活動とは ほど遠い状況下での高校生活のスタートだったと思います。しかし、そんな中でも、皆さんは本校が目指す「高いレベルでの文武両道の精神」を胸に抱き、良く学び、厳しく自分を鍛え、川口北高校で大きく成長してきました。その結果、素晴らしい品格と幅広い教養を身に付け、本日、晴れて卒業の日を迎えました。このことは、皆さん一人ひとりの努力の成果ではありますが、同時に皆さんを温かく見守り、支えてきた御家族や友人たち、先生方、御支援を頂いている多くの皆様のお蔭でもあります。今の自分がこの卒業の時を迎えられるのは、こうした方々の支えがあってのことだと感謝し、一人ひとりの記憶に刻んでください。

 次に、保護者の皆様に申し上げます。本日は、お子様の御卒業、誠におめでとうございます。コロナ禍で始まった高校生活でしたが、立派に成長し、卒業の日を迎えたお子様の姿に、お喜びも、ひとしおのことと存じます。これまで、本校の教育活動に寄せられました皆様の深い御理解と御支援に対し、改めまして厚く御礼を申し上げます。

 さて、卒業にあたり、49期生への餞とする話をいたします。ひとつ目は、ノーベル生理学賞・医学賞を受賞した山中伸弥さんのエピソードについてです。山中先生は若い頃、整形外科で研修医をしていた時、うまい人なら20分で終わる手術を2時間もかかってしまい、それがきっかけで、当時の 鬼のように怖い指導医からは「山中」ではなく「ジャマナカ」としか呼んでもらえなかったそうです。周囲の先輩たちからは「研修医なのだから上手くできなくて当たり前だ」、また「名前をいじるのは完全にいじめだ」などという優しい言葉をかけてもらったのですが、辛い現実から逃げたくなってしまい、臨床医ではなく研究者の道に進もうと決心をしたそうです。そこでまずは、大学院に入りなおして「薬理学」という薬の研究を始め、その後、研究者としてアメリカに留学し、「血液の研究」を始めました。とにかく我武者羅に、人の三倍は働くようなハードワークをしていた時の話ですが、「動脈硬化」に影響を与える遺伝子を調べていたところ、たまたまその遺伝子が「癌」を作っていたことが分かりました。普通の研究者なら「常識」という目に見えない壁を作って「これは自分のテーマである血液には関係ない」といって研究をやめることが多いそうです。しかし、山中先生は、予想外の結果にたいへん興味を持ち、まだ何の実績も出していない若い研究者が「面白いから」という理由だけで「癌」の研究を始めました。そこで新しい遺伝子を見つけ、それが今のES細胞、iPS細胞に繋がったそうです。山中先生自身、「自分にはあまり独創性がない」と謙遜していますが、それでもiPS細胞にたどり着いたのは、思いもよらない結果が出たときに実験をやめなかったこと、そして研究者の中でもiPS細胞そのものの存在は意識する者はいましたが「難しすぎてやっても無駄だろう」と実際にチャレンジをする人が少なかったとも言っています。もちろん人がやらないことをやったからと言って、必ず結果が出るわけではありませんが、科学を心の底から楽しんでいる人たちに、科学の神様が微笑んだのかもしれません。 

 皆さんにはこのエピソードのように、たとえ何かに失敗しても自分の可能性を信じて、チャレンジをすること、一方で知識だけを詰め込んで賢くなることよりも、自分がやりたいことを探り、究めていくこと、つまりこれが探究ということになりますが、粘り強く、志高く、探究的な学びを続ける人であってほしいと思います。

 二つ目は、卒業していく皆さんへの餞というよりも、ほんの少しだけ辛口の話をしたいと思います。学校の先生はよく、卒業する生徒達に向けて「いつでも遊びに来いよ」という言葉をかけることがあると思いますが、私の持論は少し違っていて、「学校に来るな」とまでは言いませんが、そんな暇があるのは「今が充実していないから」ではないかと考えています。本日、卒業する皆さんは、若く、たくましく、たくさんのエネルギーと可能性を持って未来に向けて羽ばたいて行きます。そんな皆さんには、過去を振り返るのではなく、日々刻々と変わる新しい世界で、思う存分に活躍をしてほしいと思っています。過去を懐かしむのは、もう少し年を取ってからで十分ですし、それ以上に今を生きていく上で大切なことが、きっとたくさんあるはずです。自分が置かれた環境をより良くしたり、もしも居心地が悪いのならば、自分の力でその環境を変えるくらいの気概を持ってください。皆さんのこれからの長い人生では、誰かの後に付いていくのではなく、自分の力で道を切り開き、成長を続ける人であってください。49期生には、目には見えないかもしれませんが、この3年間で培った「絆」という大きな財産があります。それを精神的な支えとしながら、4月からの新天地での充実した生活を送れるように願っています。

 最後になりますが、生徒の皆さんはすでに、私が本校の7期の卒業生であることは、知っての通りですが、わが母校である川口北高校はその黎明期の頃から、常に前向きな姿勢で、物事に真面目に取り組み、たとえ失敗したとしても簡単には諦めず、粘り強く頑張れる生徒たちを育ててきた学校です。そして、18000余名の同窓生の諸先輩方が、そのバトンを繋ぎ続け、半世紀にわたる歴史と伝統の中から、今の校風を創り上げてきてくれました。49期生として入学した皆さんも、いよいよ明日から同窓生の仲間入りです。多くの同窓生が川口北高校の卒業生であるというプライドを胸に、社会に出て頑張っています。皆さんも大きな夢を持ち続け、輝く未来と自らの可能性を信じて、今まで以上に熱く、何事にもチャレンジを続けられるよう、頑張ってください。

 結びに、本日、御臨席を賜りました御来賓の皆様にお礼を申し上げますとともに、卒業生一人一人の将来に幸多からんことを心から祈念して式辞といたします。

 

 令和7年3月18日

                     埼玉県立川口北高等学校長 高松 健雄

 

                           

 

 校内駅伝大会 講評  070206

 まず、本日の大会実施に当たり、役員をしてくれた生徒の皆さん、体育科をはじめとする先生方、部活動の皆さん、応援した皆さん、そして何よりも選手として走った皆さん、たいへんお疲れ様でした。

 川北伝統の「第43回校内駅伝大会」が大盛況のうちに終わることができて、たいへん嬉しく思っています。また、これらの学校行事は、先生方だけで、できるものではなく、代々生徒の皆さんが頑張ってきた証だとも思っています。

さて、講評ということなので少し話をしたいと思います。高校生の行う学校行事にはいろいろなものがありますが、私はただ楽しいだけでなく、皆さんの成長に役立つものでなければならないと日ごろから考えています。そういう意味では、川北の行事の多くはそれぞれに意味があり、実施することに価値があるものばかりだとも思っています。

また、この駅伝大会自体が日頃の体育の授業の成果の発表の場であるというスタンスのもと、走ることが得意・不得意の壁を越えて、皆さんが真剣に、そして「タスキ」をつなぐために「懸命」に走る、これも本当に価値があることだと思います。結果として、順位がついたりするものですが、みんなで成し遂げたものであるということには、違いはありません。その点では、校長として、すべての川北の関係者に感謝したいと思います。

次に、今朝も話しましたが、駅伝大会にはいろいろなドラマがあったと思います。皆さんが一生懸命に走ってタスキをつなぐ ひたむきな姿、そして走っているクラスメイトに声援を送る姿、役員の生徒が大会の成功と安全のため自分の役割をしっかり果たす姿、また、クラスに関係なくみんなが一人一人走る選手に温かい声援を送る姿、すべてに感動と感謝がありましたし、まさに川口北高校が一体となった瞬間でした。皆さんの心にはきっと、さまざまなドラマが刻まれ、記憶に残ったと思いますので、今後も「チーム川北」の結束力を大切に持ち続けてください。

 最後になりますが、1年生は、これでやっと行事も一回りして、ようやく川北での生活のノウハウが分かったと思います。少し早い話ですが、皆さんもこれで「川北の先輩になる」準備が整いました。今までの経験を生かして2年生になっても積極的に活動できるようにしてください。

 2年生は、最後の駅伝大会となりました。4月からはいよいよ3年生になります。この時期は、受験のことや部活動のことなど、いろいろと悩んだりする時期かもしれません。しかし、皆さんの先輩たちはそれを乗り越え、文武両道を貫いた人たちが圧倒的に多いのが川北です。今できることを精一杯やること、困難な道と楽な道があったなら、困難な道を選ぶことの方が後々後悔せずにいられるはずです。今日までの経験を、仲間との絆を、しっかりと胸に刻んで、最終学年での「有終の美」が飾れるよう準備をしてください。

 これからも川口北高校の生徒としての自覚と誇りを持って、何事も途中であきらめたりせず、当たり前のことを当たり前にやり切る「凡事徹底」を貫いて、充実した高校生活を送ってください。 以上、講評といたします。

令和6年度1月全校集会 校長講話【R7.1.8】

 皆さんあけましておめでとうございます。令和7年がスタートしました。「1年の計は元旦にあり」と言いますが、今年1年の目標を定め、しっかりとそれぞれの歩みを進めてください。

 まずは3年生の受験生の皆さんへ。いよいよ共通テストまで「あと10日」です。共通テストはゴールではありませんが、受験の第1歩としてはとても大切な日になります。不安や焦りがない人など、いないと思いますが、共通テスト受験で一番大切なのは「基礎基本」です。難問はあまり多くないはずですから、問題文をしっかりと理解すること、そしてみんなができる問題を取りこぼすことがないように、平常心を忘れず、自分自身を信じて、穏やかにテスト当日を迎えてください。

 それでは 年頭にあたって校長としての令和7年の目標についてお話をします。
 川口北高校は昨年 51年目を迎え、半世紀にわたる 伝統と校風を引き継ぎつつ新制服の導入や学校広報活動の活性化、探究活動の改革など、新たな挑戦の1年を経験しました。そして今年は52年目を迎えるわけですが、今年の目標は「挑戦の継続と絆を深めること」としました。 

現在の川口北高校は中期的な目標である目指す学校像として「 文武両道の精神のもと、高い志と品格を備えた未来を開くグローバルリーダーを育成する学校」を掲げています。この学校が目指すべき目標を一度見つめ直してみてください。自分が川北生として何をしなければならないのかを見失っている人にも、何となく見えてくるのではないでしょうか。それでは、この教育目標を達成していくために、今皆さんが川北生として求められているものは何でしょうか。それが川口北高校の定めるアドミッションポリシーというものです。「入学の心得」として定めているものなので、日常的に意識することは少ないと思いますが、改めて紹介すると、「第1に、文武両道の精神を自覚し実践しようとする生徒、第2に、高い志を立てその実現に向けて常に努力しようとする生徒、第3に、品格を身につけるため凡事徹底を実践することができる生徒、第4に、多様性を認め他人と協働しようとする生徒」、この4点になります。つまりキーワードは「文武両道、高い志、品格と凡事徹底、多様性」などで、具体的にやるべきことがしっかりと定められているわけです。

 どうしても日々の忙しさのため、このような学校の目標を意識することは難しいと思いますが、この「アドミッションポリシー」を実践することで、学習活動でも部活動でも自分で考えて工夫をし、自ら積極的に取り組む姿勢や、自主自律の精神を養ってください。特に授業については「総合的な探究の時間」などの際には何度も聞いていると思いますが受け身ではない、自ら学ぶ姿勢を身につけ、「主体的で対話的な深い学び」を実現できる「自立した学習者」になってください。少なくとも「先生に教えてもらうまで待っている」とか「自分自身では考えない」とか、自ら学ばないような学習者になってはいけません。そして日常的に実践してほしいこととして、明るく爽やかな挨拶をすること、気持ちの良い返事をすること、清潔感あふれる服装でいること、心を込めた清掃をすることなど、凡事徹底を実践して品格を身につけ、その品格にますます磨きをかけていってください。これらのことの実現に向けて川北生としての自覚と誇りを持って、川口北高校の挑戦を一人一人の手で実現して行ってほしいと思います。

 もう一つの目標の「絆を深めること」についてですが、現在進めている「学校の広報活動の活性化」などについてです。皆さんは川北の学校ホームページが毎日どのくらいの人に見られているのか、考えたことがあるでしょうか。学校のホームページには閲覧数のカウンターがあり、毎日何回このホームページが見られているかをカウントしています。昨年の4月から12月、つまり令和6年度に入ってから9ヶ月間の1日の平均閲覧数はおよそ6600件です。また、1日あたりの閲覧数が14万件を超える日もありました。さらに公式Instagramのフォロワー数も3000件を超えている状況です。

これらの件数の中には、在校生の皆さんやその保護者の方もいると思います。また中学生の受験生やその保護者の方なども見てくれていると思います。ただそれだけではなく、川北を卒業したたくさんの卒業生の方々や地域の方々からも注目を集めている状況です。このように学校の活動を外部の方にお伝えすることによって、学校の魅力をよりわかっていただき、一方では自分たちの活動が外部に紹介されることによって、今よりも もっと高い目標に向かって頑張ろうというモチベーションの向上にもつながっているはずです。こうしたことから学校の内外に情報を発信して川口北高の応援をしていただける方々を増やし、その絆を深めていくことが、学校の発展にとっては必要なことではないかと思っています。

 これからも川北を応援してくれるファンの方々を大切にしていくために、広報活動をさらに充実させていかなければならないと考えています。生徒の皆さんにはそれを支えていくための協力と支援をしてもらい、学校がより多くの人たちと絆を深められるように、よろしくお願いします。

 最後になりますか、インフルエンザなどの感染症がとても流行っています。共通テストだけでなく部活動の大会などもたくさんあるこの1月の時期を、お互いの生活と健康を守るためにしっかりと感染予防対策を取った学校生活を送ってください。そして、ここにいる49期生の受験生の皆さんをあと押しするためにも、「チーム川北」が一丸となって応援していきたいと思います。令和7年が皆さんにとって幸せな1年になるよう願って、校長の年頭の挨拶といたします。

令和7年 年頭挨拶【R7.1.1】

川口北高校のホームページをご覧の皆様、あけましておめでとうございます。昨年はたいへん多くの皆様にこのホームページをご覧いただき、本当にありがとうございました。今年も引き続き川口北高校をよろしくお願いいたします。

 さて、昨年は令和5年の創立50周年を記念してリニューアルされた新制服の導入や学校広報活動の活性化、探究活動の大幅な改革など、川口北高校にとってたいへん大きな挑戦の1年となりました。 その中でも広報活動の活性化については、SNS等による情報発信が全盛の世の中であるがゆえ、学校ホームページや公式 Instagram の充実に力を注ぎ、学校の発信力を強化することに努めてきました。学校として素晴らしい取り組みをしていたとしても外に発信していかなければ理解をしてもらえません。在校生やその保護者の皆様だけでなく、将来川口北高生になる中学生や小学生、またその保護者の皆様、さらには18000人を超える同窓生や地域の方々にとっても学校からの情報提供は必要だと考えています。

    学校ホームページでは、生徒たちの活動の様子やその雰囲気を伝えられるように画像を多用し、更新の頻度を増やすなどの一部リニューアルを図り、結果としてその閲覧数が飛躍的に伸び始め、令和6年度に入ってからは1日の平均閲覧数が約6600件、1日あたりの閲覧数が14万件を超える日(令和6年6月16日に記録)もあり、本校に興味を持っていただける方々が確実に増加していると実感しています。また令和5年7月に開設した公式 Instagram も令和6年9月初旬にはフォロワー数が3000件を突破し、中学生やその保護者の皆様、また在校生の保護者の皆様にとっても、学校の活動の様子がよくわかってありがたい、という評価も頂いています。さらに自分たちの活動が外部に紹介されることにより、本校の生徒たちがより一層高い志を抱くというモチベーションの向上にも役立っています。こうした地道な取り組みから相乗効果も生まれ、今後の学校の発展に好影響を与えていくものと考えています。

    次に教科指導、教育実践についてですが、今年度から川口北高校は国の高等学校 DX 加速化推進事業の「DX ハイスクール指定校」となり、デジタル分野を支える人材育成等に積極的に取り組むことになりました。今までも「アクティブラーニングと ICT活用とのベストミックス」と表される授業は当たり前のように行われてきましたが、さらにそれが加速・発展することになります。他の公立高校よりも1年早く導入した iPad は既に全校生徒が持ち、通常の授業や学校行事ではもちろんのこと、少人数グループによる相互交流や学び合いなどの学習活動にも生かされています。また教員の授業等でのタブレット端末の活用状況は、埼玉県内でもトップクラスだと言っても過言ではありません。それに加えて新たな学習指導要領に掲げられている「主体的・対話的で深い学び」の視点に立った授業改善を一層進めるためには、今までにない新しい発想に基づく授業実践が必要となります。

 そこで川口北高校では「新しい学びを創る会」という教員の自主的な研修組織が設けられ、デジタルツールの活用を含む授業力の向上に励んでいます。ただ物事を教え込むだけの従来型の授業では得られない、新たな時代の学びに対応するために不可欠な取り組みだと考えています。 今後は「総合的な探究の時間」に年度当初から新たに導入した 「全学年縦割りのゼミナール方式(総探ゼミ)」による授業実践が、生徒の主体性や協調性を育み、対話的で深い学びに結びつくものとして期待しています。また、この実践が他の授業にも効果的に波及し、従来の詰め込み型の講義形式の授業をもっと工夫・改善し、時には教員が指導者ではなく伴走者となって生徒の学習意欲を高め、自ら学ぶ姿勢を身につけさせられるような最先端の学びを追求していこうと考えています。

 以上のような大きな挑戦の他にも学校行事や定期テストなどに関する様々な改革を進めてきましたが、何より1番大切なことは生徒1人ひとりを大切にする教育を実践することです。そのためには文武両道の精神のもと、授業を基本とする教育活動を大切にすること、また校長面接を始めとする2者面談や3者面談などの個々の生徒に対応する機会を重視すること、そして生徒、保護者、教職員からなる「チーム川北」が上手く機能していくことが重要だと考えています。さらには今までよりも一層、PTA・後援会の組織や同窓会などの皆様との対話と協力を大切にして、川口北高校を応援していただけるように絆を深めて行きたいと考えています。

 最後になりますが、本校の目指す学校像は「文武両道の精神のもと、高い志と品格を備えた未来を開くグローバルリーダーを育成する学校」です。半世紀に渡って諸先輩方が培ってきた伝統と校風を基本としながら、新しい世の中の変化にも柔軟に対応できる指導体制を整え、1人ひとりの生徒が自立した学習者としての意識を高め、目指す学校像を実現できるよう日々の教育活動に邁進してまいります。 令和7年も引き続き川口北高校の生徒たちの自己実現のため、そして川口北高校の発展のため、皆様のご理解とご協力、そして応援をよろしくお願いいたします。

埼玉県立川口北高等学校  校長 高松 健雄